不動産売却時に必要な書類について 種類と取得方法についてもご紹介!

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必要な書類

不動産売却を検討する際、何から手をつければ良いでしょうか。

不動産を売却するという経験は、一生にそう何度もありません。右も左もわからない、ととまどってしまう方がほとんどかと思います。

まずは「書類を準備する」ことから始めましょう。不動産売却には実にたくさんの書類が必要ですが、手元に保管されているはずのものもあれば、取得に時間がかかるものもあります。

本記事では、不動産売却にはどういった書類が必要なのか、そしてその取得方法についてご紹介します。

物件別・不動産売却に必要な書類

ではまず、物件の形態別に不動産売却時に必要となる書類について、ざっくりとご紹介します。

不動産売却を行う際には実にたくさんの書類をそろえる必要があります。以下に、不動産売却の際に必要となる書類を、売却する物件ごとに表した表を掲載します。

不動産売却に必要な書類は10種類では足りません。ぱっと見て一体何の書類なのか、どうすれば手に入るのかもわからない、という方がほとんではないでしょうか。取り逃しがあれば、その都度売却までに時間がかかることになってしまいます。なるべく最初に揃えておきたいものです。

このあとの項で、表に挙げた必要書類の内容やその取得方法について、ひとつずつ、実際に不動産売却をするときのステップごとに解説します。

訪問査定時に必要な書類

不動産会社のホームページなどから物件の基本情報のみを伝えて、ざっくりと査定金額を教えてくれるような簡易査定の場合、特に事前に書類を用意する必要はありません。

ここでご紹介するのは、不動産会社の担当者が実際に現地を訪れて調査する「訪問査定」の場合に必要となる書類についてご紹介します。

登記済証(権利証)および登記識別情報

不動産を購入すると、法務局で所有権保存登記または所有権移転登記をすることになります。その際に法務局から発行された書類を登記済証(権利証)および登記識別情報と呼び、これは売主だけが持っている情報となります。

登記済証(権利証)とは、登記が完了した際に登記所から買主等の登記名義人に交付される書類です。しかしこの登記済証(権利証)は、あくまで書面ですので、登記所のオンライン申請には使用できません。そこで登記済証と同等でありながら、オンライン申請にも使えるものとして、「登記識別情報」の制度が導入されました。

これらの情報は真の所有者でないと持つことができないものであり、同時にそれを証明する情報なのです。

土地の確定測量図

確定測量とは、隣接する全ての土地との境界について、その隣接する土地の所有者の立ち会いをもとに、境界確認を行う測量のことを指します。その結果を基に作成された実測図を、確定測量図と呼びます。

確定測量図は、全ての境界が確定しているという証明であり、境界に争いがないことの証明でもあります。不動産を買い取る側にとっては、境界に争いがないということは、とても重要なポイントですので、売買の際に提出が求められることが大変多い書類です。

媒介契約時に必要な書類

不動産会社と媒介契約を締結すると、晴れてその不動産会社に、ウェブサイトやチラシ、掲示物等を使って物件の宣伝をしてもらえることになります。その「媒介契約」ために必要な書類についてご紹介します。

本人確認書類

まず必要なのは、本人確認書類です。物件の所有者本人であるということを確実に証明する必要があるからです。物件に限らず、古本など何かを売買する際には大抵確認が求められます。

一般的には運転免許証やマイナンバーカード、パスポートといった顔写真と住所氏名が確認できるものになります。提出、としていますが、大切な個人情報ですので、相手に渡してしまうということはありません。短時間預けてコピーを取る、または目視で確認する、番号を控えるという手段になりますので、万が一にも現物をそっくり渡してしまわないよう注意しましょう。

物件の間取り図

街やインターネットで見かける、物件の広告に間取り図が記載されているのを見たことがあるかと思います。

これからその物件に住むかどうか検討するためには、間取り図は必須です。当然、不動産会社がチラシやインターネット広告に物件情報を作成する際に必要となります。

それ以外にも、所有する物件について不動産会社の営業担当者に説明する際にも分かりやすいですし、随所で使える、必要となる書類です。

一戸建てなら引き渡し時に、マンションでも最初に購入した時に受け取っているものです。マンションの場合は、売り出し時の詳細なパンフレットなども有効な資料となります。

確認申請書(建築確認済証・建築確認通知証)・確認済証・検査済証

次に、確認申請書(建築確認済証・建築確認通知証)、確認済証、検査済証の3点です。

「確認申請書(建築確認済証・建築確認通知証)」とは、物件の新築時、設計段階で建築基準法の規定に適合しているかどうかチェックを受ける確認申請を行ったときの書類です。

「確認済証」はこの建築確認申請が通ったと証明する書類です。これが発行されて初めて着工が可能となります。

3つ目の「検査済証」は、実際に建った建物が、建築確認をクリアした図面に基づいて建てられたかどうかのチェックを受けたと証明する書類です。

これらは、物件の物理的状態や権利の状況、取引条件などの重要事項を説明する「重要事項説明書」に書類の有無が記載され、買主へ引き渡すものです。ちなみにマンション売却の場合は不要となります。

耐震診断報告書およびアスベスト使用調査報告書

最後は、耐震診断報告書とアスベスト使用調査報告書です。「耐震診断報告書」は、耐震診断の結果を表したもので、「アスベスト使用調査報告書」は、アスベスト(石綿)が含まれる建材が使用されているかの調査結果です。

耐震診断は、旧耐震基準で設計された建物や、新耐震基準で建てられた建物であっても劣化等が懸念される建物に対して行われることが推奨されます。同様にアスベストは2006年9月以降は建築物には使用できなくなっていますので、築年数が相当に古い物件を売る際に求められる、またはあった方がよいとされる書類です。

新耐震基準成立前である1981年以前に建てられた建物なら、耐震診断報告書を用意しておいたほうが無難です。また、アスベストに関しては、施工業者や不動産会社から取り寄せた設計図書に記載された建材に、アスベスト使用のものがないか確認することでも事足りますが、図面上で確認できず、使用の可能性が疑われるほど古い建物(1975年以前)である場合は、用意しておくと安心です。

耐震診断をするなら、建築士事務所に依頼することになります。それなりにお金がかかりますが、地域や条件によっては診断料の補助金がもらえる場合があります。居住している自治体に相談してみましょう。

また、アスベスト使用調査については、物件に使用されている建材がわかれば、インターネット等で調べることができます。わからない場合は業者に依頼することになり、こちらも一定の費用と調査期間がかかることになります。

ただし、比較的新しい物件を売却するという場合は、これらの書類はまず必要がありません。

売買契約時に必要な書類

無事に物件の買主が見つかり、いよいよ売買契約を結ぶ時に必要な書類についてご紹介します。

付帯設備表

付帯設備表は、物件と一緒に引き渡す設備の状態について、記載されたものを指します。インターフォンや浴室乾燥機など、そもそも建物に備え付けられた設備に不具合があればその旨を記載し、エアコンや温水洗浄便座など取り外し可能なものの場合は、それらの設備があるのか、残していくのか等、今の状態を記載します。

告知書

告知書には、周辺の環境や、過去その物件に起こったことなどを含む、物件の不具合について記載します。

付帯設備表と告知書については、基本的に書類自体は不動産会社が用意してくれるものですが、内容の記入は売主が行うことがほとんどです。

上記の書類に加えて、このタイミングで、売買契約書に押すための実印が必要となりますので、お忘れなく。

引渡し時に必要な書類

さて、いよいよ引き渡しです。ここでもいくつか書類は必要ですので、ぜひチェックしておいてください。

登記済証(権利証)および登記識別情報

一番大切なのは、登記済証(権利証)および登記識別情報です。これらは一番最初の訪問査定の時にも必要な書類でしたが、最後に所有権を売主から買主に移すためにも必要となります。

固定資産税と都市計画税納税通知書の写し

不動産に関わる税金をきちんと納めているかの証明書となります。売主と買主の間で、これらの税金を精算するための根拠となります。

固定資産評価証明書

不動産の登記には登録免許税を支払うことになります。これは不動産の所有権が移動した時にも同様です。登録免許税とは、固定資産税の評価額を基に算出されるものですので、それが記載されている固定資産評価証明書が必要となるのです。

なお、評価証明書の年度と所有権移転登記の年度が異なると利用できませんので、注意しましょう。

住民票

所有権移転のための登録免許税を計算するために必要です。

実印と印鑑証明書

実印自体と一緒に、その実印が役所に登録されたものであることを証明する、印鑑証明書が必要です。印鑑証明は発行から3か月以内のものを用意してください。

確定測量図・境界確認書

境界確認書は、隣の土地との境界がはっきりと記載された書類を指します。マンションには必要ありませんが、一戸建てや土地を売買する場合、周囲との境界が確定しており、争いがないということが引渡しの条件となります。

提出を求めない買主もいますが、売買契約書の中に条件として記載されているかどうかチェックしておきましょう。その際には、訪問査定時に提出した確定測量図も必要となります。

抵当権抹消書類

抵当権とは、住宅ローンを組んだ時にお金を融資した銀行などの債権者が、購入した不動産を担保とすることができる権利のことを指します。もしも購入者がローンを払えなくなったなどの際に、お金を貸した側に不利益が生じないようにするためのものです。

不動産を売却する時に、住宅ローン残高が完済できていない物件の場合は、売却代金を使って残りを一括返済する形となるため、物件の引渡しと同時にこの抵当権を抹消するということになります。この抵当権抹消書類は、大抵の場合、売主の銀行担当者が保有しています。問い合わせてみましょう。

もしも売却する物件がマンションである場合は、管理規約や使用細則、管理費と修繕積立金の金額が正確に記載されている書類などの提出が求められます。

また、一戸建ての場合は、建設時に設計者の意図を施工者に伝えるために作られた設計図書一式、設備取扱説明書、保証書、アフターサービス基準書なども必要な場合であることが一般的です。

土地の隣地との境界を越えた物が設置されている場合は、越境物の「覚書」も必要になります。住宅や土地に関わるあらゆる書類は、売却後のトラブルを防ぐためにできるだけ探して引き渡すようにしましょう。

確定申告を行う際に必要な書類

不動産の売却が無事終わりました。売れて、書類も建物も引き渡したらおしまい、ではありません。不動産を売却すると譲渡所得が発生しますので、売却した年度に確定申告を行う必要があります。

ここからは、確定申告を行う際に必要となる書類について解説します。

申告書

確定申告に必要な書類は、確定申告書B、申告書第三表(分離課税用)、確定申告書付表兼計算明細書(譲渡所得の内訳書)の3点です。税務署が用意するフォーマットに書き込む形になります。

「確定申告書B」は、給与所得や雑所得などに加えて、事業所得、不動産所得、利子所得、譲渡所得などがある人が使用する申告書です。

「申告書第三表(分離課税用)」は、確定申告書Bを使用する人の中で、さらに土地や建物、株式の譲渡、FXや先物取引などを行い、所得があった場合、その他の所得とは分けてこれに記載し、納税額の計算を行います。

「確定申告書付表兼計算明細書(譲渡所得の内訳書)」とは、どんな資産(ここでは不動産)をいくらで売却したのか、その資産を購入する時にはいくらかかったのかを示す書類です。ここで、売った値段から買った値段と控除金額を引いた金額(売却益となります)が「譲渡所得」で、課税対象となりますので、申告する必要があります。

また、あくまで任意ですが、売却物件を売った時の売買契約書や、売却物件を購入した時の売買契約書、仲介手数料等の領収書を証拠書類として提出できると、より安心です。

不動産売却で特例や控除を利用する際に必要な書類

不動産を売却する時は、ケースによりますが、特例や控除を受けて節税できる可能性もあります。以下で、利用できる可能性のある特例ごとに必要な書類をご紹介します。

3,000万円の特別控除

住宅を売却した際、一定の要件を満たした場合に、譲渡所得から最高で3,000万円まで控除ができるという特例があります。

この特別控除を利用するためには、譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)の提出が求められます。また、売却した建物(土地)には居住していなかった(住民票に記載されている住所とは異なる)という場合は、売主がその建物の持ち主であったということを証明する書類を用意する必要があります。

軽減税率の特例

売却した不動産を所有していた期間が10年を超える場合は、譲渡所得にかかる税金の税率が低くなる場合があります。申請するには、譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)と、住んでいた期間が10年を超えることを証明する、「売却資産の登記事項証明書」の提出が求められます。

こちらも先述した3,000万円の特別控除と同様、売主が売却された建物に居住していなかった場合は、売主がその建物を所有していたということを証明する書類が必要になります。

特定居住用財産の買換えの特例

マイホームを売却し、また別のマイホームに買い換えた際、譲渡益にかかる税金の納税を先延ばしすることができます。

この特例を利用する場合には、売買契約書のコピーと、購入した住宅の土地や建物に関わる全部事項説明書、耐震基準を示す書類(築年数の要件を満たさない場合)、売却した住宅の土地や建物に関わる全部事項説明書など、複数の書類を用意する必要があります。

不動産売却に必要な書類の取得方法

最後に、ここまでご紹介してきた書類の取得方法について解説します。

不動産を取得した際に受け取っているもの

「登記済証(権利証)」または「登記識別情報」「間取り図」「確認申請書」「確認済証」「検査済証」「管理規約」「使用細則」については、物件を取得した時にまとめて受け取っている場合がほとんどです。もし手元にない場合は、物件を買った不動産会社に問い合わせてください。

役所で入手するもの

「印鑑証明書」「固定資産評価証明書」「住民票」については、居住している市区町村の役所で、大体1枚300〜400円で取得することができます。マイナンバーカードを使ってコンビニで取得することができるものもあります。

不動産会社が用意するもの

「登記簿謄本」または「登記事項証明書」「売買契約書」「付帯設備表」「告知書」は、不動産会社が作成するのが通例です。よく確認しておきましょう。

そのほかの取得方法

「土地測量図」「境界確認書」「耐震診断報告書」「アスベスト使用調査報告書」に関しては、新たに調査して取得しなければならない場合もあります。

また、「固定資産税と都市計画税納税通知書」は毎年課税明細書が届きます。先述しましたが、「抵当権抹消書類」は銀行の担当者が保管しています。

まとめ

不動産を売却するためには、たくさんの書類を用意しなければならないということがわかりました。

役所に行けば手に入るもの、不動産会社が用意してくれるものもありますが、家に保管されているはずだけどどこだかわからない、というものもあるでしょう。場合によっては新たに作成しなければならない書類もあります。

ぎりぎりで慌てて揃えるということになれば、売却もなかなかスムーズにいきません。混乱を避けるために、不動産の売却を検討し始めた段階で、必要書類を揃える準備も始めるようにしましょう。

少しでも分からない点や懸念点が出てきたら、担当してくれる不動産会社に細かく相談することをおすすめします。この記事がスムーズな不動産売却の一助になれば幸いです。

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